自分の目標に向かって主体的に学ぶ子どもを目指して |
岩手県きこえ・ことば・LD等教育研究会 会長 飯岡 竜太郎 |
岩手県きこえ・ことば・LD等教育研究会会員の皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 今年度、岩手県内の通級指導教室は、ことばの教室が92教室、きこえの教室が41教室、LD等指導教室が28教室、幼児教室が31教室、全部で192教室が設置されております。 先日開催いたしました代議員会や理事会において承認いただきましたが、今年度の本教育研究会では、研究主題を「自分の目標に向かって主体的に学ぶ子をめざして〜自立を促す指導・支援の在り方」とし、今年度における研修や教育実践をとおして、障がいの特性やそれぞれに応じた指導法を学び合うとともに、自分のよさや可能性を認識し、目標に向かって主体的に学ぶ子どもをめざした自立を促す指導・支援を究明していくこととなります。 昨年度末、私がお世話になっている桜城小学校では、通級の子どもたちが、1年間の自分の成長をまとめ、その成果を自分の在籍学級で発表する「きこえとことばの発表会」がありました。子どもたちのテーマは様々で、発音にかかわる成果発表、ことば遊び、クイズ、研究してきたものの紹介や発表など、自分がこの1年間努力してきたもの、興味・関心を高めてきたものを選んでいます。慣れ親しんだ学級の仲間とはいえ、人前で発表するということは、決して簡単なことではありません。緊張しますし、聞いている人全員にわかってもらうためには、それなりの工夫が必要です。きこえ・ことばの教室での子どもたちの様子を見ると、通常の練習とともに、発表会に向けて、あれこれ迷ったり先生に相談したりしながら、よりわかりやすい発表となるようアイディアを出して、内容や進め方を工夫していました。そして、本番では、どの子も学級の仲間の前で堂々と発表し、仲間や担任の先生から大きな拍手をもらう姿は、とても輝いて見えました。 きこえ・ことば・LD等の指導は、専門性が求められることももちろんですし、そのための指導方法を日々学ぶ必要がありますが、子どもの可能性を信じ、子どもの課題意識や学習意欲を引き出して、主体的に学ばせることの大切さを、指導者の教育観として常に持ち合わせていたいものです。 会員の皆様におかれましては、指導方法を学び合い、教育観を共有する場として、本研究会の活動に積極的にご参加いただくとともに、会員相互のつながりを大切にしながら、今年度も、「目の前の子どものため」「岩手の子どものため」に、教員としての資質向上に共に努めてまいりましょう。 |
令和6年6月1日 |